歳寒三友
12月、そして2020年も残すところあとわずかとなりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、12月25日のクリスマスの日に終了予定だったオンライン企画展【Thankyou_5000】は
ご好評につき、会期を延長してこのまま来年1月19日までの開催とさせていただくことにいたしました。
12月1日からスタートし、1月19日がちょうど50日目に当たるのです。
また、当初、本日12月26日から再開予定だった【季節のうつわ】は予定通り本日から冬バージョンでスタート、
商品を随時追加更新して参ります。
【Thankyou_5000】【季節のうつわ】と合わせて、もうひとつ【歳寒三友】も開催中です。
歳寒三友「さいかんのさんゆう」と読みます。平たく言えば、松竹梅のことです。
中国のこの思想は、日本には平安時代にもたらされたと言われています。
宋時代に好まれた画題のひとつであり、厳しい状況でも節度を守り清廉潔白に生きるという文人の理想を表しているのです。
寒くとも色あせない松。しなやかにしなる竹。百花に先駆けほころぶ梅。
寒い冬の季節に友とすべき三つの植物として、文人の思いは松竹梅に託されたのでした。
歳寒三友という語は、孔子の論語に登場する「歳寒」「三友」に由来しています。
「子曰歳寒然後知松柏之後凋也」
(子曰く、歳寒くして、然る後に松柏の凋むに後るるを知る。)
寒い季節になってはじめて、松や柏が枯れずに残っていることがわかる。
(同様に人間(君子)も(平穏な時は分からないが、)いざ困難に遭遇した時に本性(節操)が分かるものだ。)
「孔子曰、益者三友、損者三友。友直、友諒、友多聞、益矣。友便辟、友善柔、友便佞、損矣」
(孔子曰く、益者三友、損者三友。直を友とし、諒を友とし、多聞を友とするは益なり。便辟(べんぺき)を友とし、善柔を友とし、便佞(べんねい)を友とするは損なり。)
ためになる友(益友)には三通りある。 ためにならない友(損友)にも三通りある。
正直な友、誠実な友、博識な友は益友だ。ご機嫌取りな友、媚びへつらう友、口先だけの友は損友だ。
(有益な友は実直で自分の気持ちをはっきり示し、時に相手の誤りを正してくれる。一方、付き合って損をする友はこちらに調子を合わせてくるだけで自分の意志を示さない。)
日本におけるおめでたい象徴としての「松竹梅」。中国における文人の理想の生き方「歳寒三友」。
現在私たちはこのようなたいへんな困難に直面していますが、ふと立ち止まって考えてみたいテーマのようにも思われました。
松・竹・梅、また組み合わされて登場する品々をご紹介いたします。
お時間がございましたらご覧いただければ幸いです。