滝と人魚
今年はGWといってもそれどころではなく、家に閉じこもりっきりの日々が続いています。
もともと旅が好きな方で、どこかに飛び出したい気分ですが・・・
ときどき美しい風景や珍しい光景を画面越しに眺めながら気を紛らわしています。
近年の旅で訪れた場所を思い返してみると、ふと、滝を見に行っていたことが意外と多いことに気付きました。
那智へは、根津美術館の国宝・那智瀧図を見て以来、一度は訪れてみたいと思っていました。
数年前についにその念願がかないました。
昨年は北海道・美瑛の白ひげの滝へ。
コバルトブルーにきらめく美瑛川に、自然岩から染み出た地下水が勢いよく流れ落ちる絶景です。
今年はちょうどこの自粛ムードが始まる直前のことでしたが、富山県小矢部市にある宮島峡を訪れました。
中世、小矢部川の支流・小撫川に沿って「宮島保」という荘園があり、渓谷をなす山間部は古くから「宮島峡」と呼ばれました。
平安時代末期、僧・俊寛が平清盛によってこの峡谷の奥地に流されたという伝説も残っています。
この宮島峡には滝が点在しているのです。
落差は小さいのですが、川幅いっぱいに流れ落ちる滝は「小ナイアガラ」「富山のナイアガラ」とも呼ばれ、
水量の多い時期には水がいっせいに流れ落ちる情景は壮観だといいます。
そしてなぜか・・・人魚像。
古来より龍神が棲み人々の命を守ると言い伝えられてきた霊淵、竜宮淵の岸辺には
コペンハーゲン、ランゲリーニュ海岸にあるアンデルセンの人魚姫がモデルとなったブロンズ像があるのです。
メルヘンの街を謳う小矢部市。この宮島峡にも12体のブロンズ像(ヴィーナス像)が配されています。