美術館詣で
石川県立美術館に行ってきました。
この美術館のある「本多の森」は、兼六園のほど近く。
加賀藩の筆頭家老であった本多家の武家屋敷が軒を連ねていました。
一帯には、数々の美術館や文化施設が点在しています。
もうすぐこの地に東京国立近代美術館工芸館が移転のため、やってきます。
レトロでモダンな2つの建築物が移築され、さらには完全復元されるのだとか。
その建築を見るのも、今から心待ちにしています。
行けば必ず立ち寄るのが第1展示室。
この等身大の陶製の雉は、江戸時代の名工、野々村仁清の代表作。国宝です。
(※館内で唯一、この展示室内は写真撮影OKなのです!)
加賀藩三代藩主、前田利常の頃に前田家にもたらされたとのことですが
なるほど、仁清の活躍した時期と利常の時代とがちょうど重なりますから信憑性があります。
加賀百万石の城下町であった金沢は、今日でも日本有数の文化都市です。
そしてこの金沢を象徴するのがこの作品だと言っても、過言ではないと思います。
同じガラスケースの中に、もう1羽の雉がいます。雌雄一対となっています。
前田家に伝わった雄雉も寄贈された品物なのですが
この雌雉もご厚志ある方からの寄贈品とのことです。
ところで、廣田不孤斎という方をご存知でしょうか。
私達からすれば神様のような、伝説の古美術商です。
その蒐集品は、東京国立博物館に寄贈されたのですが、
質、量ともに超一級のコレクションです。
一時、そのコレクションを郷里の富山に寄贈するという話が出ていた
という話を耳にしたことがあります。
もし富山に寄贈されていればなあ…とつくづく思うのです。
世界中から、そのコレクションを見に、人が集まってくる光景が想像されます。