城下町・富山
2015年8月にオープンした富山市ガラス美術館。
建築家の隈研吾さん設計の、富山市の新しいランドマークです。
以前、この場所には、モダンな外観の富山大和デパートが建っており、
富山市一円を焼き尽くした1945年8月の富山大空襲でも焼け残った建物でした。
ところで、先日、美術館の学芸員の先生とお話する機会があり、興味深いことを伺いました。
大和デパートが解体された後、発掘調査が行われていたのですが
柿右衛門をはじめとする江戸時代の高級食器(の陶片)が数多く出てきたそうです。
江戸時代、富山城にほど近いその周囲には、豪商と呼ばれる大きな商人たちが暮らし
「町屋敷」と呼ばれていたといいます。
一方、もう少し富山城に近い地域には武士たちが住んでいたといわれています。
近年、富山市中心部の再開発とともに発掘調査も進められているのですが
発掘によって出てきたものを比べてみると、
商人の方が、武士より裕福な生活を送っていたことが窺えるのです。
富山町は越中における唯一の城下町。富山城は富山藩主・前田氏の居城でした。
富山城は室町時代の天文年間に神保氏によって築城されたといわれています。
北陸と飛騨を結ぶ交通の要所で、戦国時代には上杉謙信、織田信長、武田信玄が攻防を繰り広げます。
その後、佐々成政が入城。
神保氏の時代に形成された城下町や街道が整備されていきます。
さらにその後、慶長10(1605)年に前田利長が城下町の再整備を大々的に行いました。
富山市内に残る町名からは、そこに住んだ人々の暮らしや商工業の営みが窺えるのです。
(※現在なくなってしまった町名もあります。)
越前町、鍛冶町、木町、黒木町、御坊町、米屋町、材木町、桜木町、山王町、下金屋町、船頭町、
大工町、手伝町、鉄砲町、寺町、西四十物町、旅篭町、八人町、東四十物町、袋町、風呂屋町・・・
さて、現在ヤフオク!にて企画展【加賀・越中に伝世した古伊万里】を開催しています。
富山市内の旧家に伝わった興味深い有田焼もご紹介しています。
江戸時代の華やかな町人文化を今に伝える品々を、ぜひご覧下さい。
10/26(土)夜までの開催です。[21~22時 終了予定]
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