茶碗と鉢

 

ヤフオクにて小さな企画展【茶碗と鉢】を開催中です。

今回のメインはなんといっても隅田川焼の都鳥の茶碗です。

2羽のほほえましい都鳥が描かれています。

江戸の楽焼ともいえる隅田川焼は、江戸時代後期の文政年間に百花園で焼かれ始めました。

隅田川中州の土を用いたといい、都鳥に主題した数々の作品があります。

この茶碗には高台内に「百花園」と印が押され、明治期のものだと分かります。

 

今回の企画展では、抹茶碗として生まれたものの他にも、

茶碗に見立てて楽しめるうつわもご紹介しています。

 

 

中国・景徳鎮製の火入(香炉)は、清朝、18世紀から19世紀にかけての嘉慶・道光年間の作品です。

火入⁉香炉⁉と思われるかもしれませんが

日本には「見立て」の文化があり、本来の用途から転じて別の用途に用いることがしばしばあります。

その「見立て」の概念は、千利休によって生み出されたもの。

利休は、中国・明時代初期の染付の香炉を、茶碗として用いました。

雲や楼閣が描かれていたそのタイプの茶碗(香炉)は、以来「雲堂手」として評価が高まりました。

桃山時代に焼かれ始める瀬戸黒の茶碗は利休好みと言われていますが

腰の張った筒形の茶碗は志野、織部でも焼かれ、また長次郎や光悦の作品にも多く見られます。

利休は半筒形の香炉の形をヒントに新しい時代の茶碗をデザインしたのかもしれません。

 

【茶碗と鉢】は、10月7日(月)21時台の終了予定です。

ぜひご覧いただき、ご参加いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年10月05日