造形と文様 縄文土器
小さな企画展【造形と文様 縄文土器】をヤフオク!にて開催中です。
ある個人の蒐集家が長い年月をかけてお蒐めになった縄文土器を
ご縁あって、お譲りいただくことができました。
日々の暮らしの中で道具として作られた縄文土器には、縄文人の美意識が宿っています。
土器の造形や文様、色彩から、その気配を感じていただく機会になれば幸いです。
以下、出品中の5点を簡単にご紹介させていただきます。
縄文中期の深鉢の残欠。
表面に塗られた丹(に)があざやかに残り、およそ5000年前の人々の色彩感覚が窺えます。
縄目の文様や刻まれた線の文様。立体のキャンパスに描かれた抽象絵画のようです。
手のひらにのる愛らしいサイズの小壺。
縄文晩期に東北地方で展開したもので、岩手県の貝塚の名前をとって大洞(おおぼら)式と呼ばれます。
私が学生の頃は亀ヶ岡式と習った記憶があります。
こちらも縄文晩期の大洞式ですが、高さが30cmを越える、大きめの壺になります。
表面全体に縄目文をほどこし、頸部は研磨され光沢を帯びています。
こちらも縄文晩期の大洞式。手のひらにのるサイズの小皿で、上の画像はその底面になります。
擦消(すりけし)と呼ばれる技法で文様をあらわし、縄目をつけています。
口縁には、突起状の装飾が連続してほどこされています。
うっすらですが朱彩が残り、ほんのり赤みを帯びています。
把手がある小壺。目のような穴が穿たれ、やや動きのある、生命を感じさせる造形です。
頸部には縄目文様がほどこされています。
胴のワンポイント、線刻の渦文も楽しいものです。