『工藝』展、スタートしました

 

 古美術松山では、ヤフオク!にて、小さな企画展を開催しています。

 先日、『工藝』展が始まりました。

 どんな工芸品が並ぶの?とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。

 工藝といっても、雑誌の『工藝』で、柳宗悦らが中心となった民藝運動の機関誌となったものです。

 月刊で、昭和6年の創刊以来、(戦時を経て)昭和23年まで120冊が発行されました。

 今回の企画展では、そのおよそ一割にあたる13冊を紹介させていただいております。

 

 

 もう何年も前のことです。

 東京で、民藝関係の方から、これらの冊子をお譲りいただきました。

 民藝についてもっと知りたいと思ったのと、珍しい品々の写真が入っていたからです。

 もっとたくさんあったように思いますが、ぱらぱらと本をめくり、

 自分の関心のあるテーマを扱った号を選ばせていただきました。  

 装幀は毎号異なり、手織りの布や和紙、型紙染や漆絵など。

 また棟方志功や芹澤銈介というスーパースターたちが手掛ける小間絵。

 手仕事が感じられる魅力的な一冊一冊です。

 文章はやや難しく感じるものもありますが、

 写真や小間絵を見ているだけでも、民藝の世界に引き込まれていきます。

 調べてあとでわかったことですが、

 この『工藝』は、本そのものが工芸品と称されているのだそうです。

 

 ときどき書棚から出して眺めては楽しんできましたが

 良いものをもっと他の方にも触れていただき、その良さを感じていただきたいと思うようになり

 今回の出品に至りました。

 出品に際し、写真撮影もあって、私にとって読み返すよい機会となりました。

 改めて目を通すと、また数冊比較して読むことで新しい発見もあります。

 大切にして下さる方とのご縁があることを願っているところです。

 

2019年06月12日