今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきの造となむ言ひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
竹取物語の冒頭です。竹取の翁が、光る竹を見つける場面。
光る竹の中には、かわいらしいかぐや姫が座っていました。
竹の節をシャープに削り出した猪口です。
胴だけにとどまらず、高台も竹節高台になっています。
器形、図柄ともに竹の意匠、まさに竹尽くしです。
口径 5.5㎝ 高さ 5.9㎝ / 状態良好