伊万里 竹取物語 のぞき猪口

江戸時代後期(18世紀後半)/ 日本・有田焼

 

今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。

野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。

名をば、さぬきの造となむ言ひける。

その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。

あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。

それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。

 

竹取物語の冒頭です。竹取の翁が、光る竹を見つける場面。

光る竹の中には、かわいらしいかぐや姫が座っていました。

 

竹の節をシャープに削り出した猪口です。

胴だけにとどまらず、高台も竹節高台になっています。

器形、図柄ともに竹の意匠、まさに竹尽くしです。

 

口径 5.5㎝ 高さ 5.9㎝ / 状態良好